頻尿・尿失禁・おねしょ治療について
過活動膀胱とは尿意切迫感を必須とした新しい疾患概念であり、通常は頻尿と夜間頻尿を伴います。切迫性尿失禁は伴う場合とない場合があります。尿意切迫感とは急におこる抑えられないような強い尿意で、我慢するのが困難なものをいいます。 頻尿とは1日8回以上、夜間頻尿とは夜中に1回以上の排尿があることをいいます。過活動膀胱と同様の症状を示す疾患には、膀胱炎・前立腺炎・間質性膀胱炎・腹圧性尿失禁・尿路結石・膀胱腫瘍・子宮内膜症・心因性頻尿などがあります。これらを除外したのちに、過活動膀胱は、抗コリン剤を内服や干渉低周波による膀胱等刺激法を行うことにより症状の改善を認めます。
自分の意思で制御できない排尿を尿失禁といいます。
おしっこがもれて困っている方は、中高年女性の4人に1人といわれます。みなさま恥ずかしがり、なかなか来院できないことが多いようですが適切な治療により快適な生活が送れるようになります。
尿失禁の分類
腹圧性尿失禁
加齢などにより尿道括約筋が弛緩しているために咳・笑い・くしゃみ・跳躍・走ったときなど急に腹圧が加わったときに起こる尿失禁です。重症の場合は手術が必要になりますが、軽~中等症の場合は骨盤底筋体操や薬物療法などにより改善します。
切迫性尿失禁
尿意がきわめて強いため、抑制がきかず、トイレに到着する前に尿が漏れてしまうもので、急性膀胱炎、神経因性膀胱、過活動膀胱、脳梗塞後などで認めます。薬物療法や排尿をガマンするトレーニングにより改善します。
溢流性尿失禁
前立腺肥大症などで多量の残尿のため膀胱内圧が上昇し漏れます。原因となっている疾患の治療を行うことにより改善します。
真性尿失禁
先天奇形や交通事故、泌尿器科・婦人科・外科手術の影響などにより尿道括約筋の欠損・損傷したために起こります。
遺尿症(おねしょ)
ほとんどのお子様が夜間遺尿症(夜尿症)で夜間のみに認めます。これは3歳まではまったく気にすることはありません。体の成長に比べ膀胱の成長が遅れるため膀胱容量が相対的に小さくもれてしまいます。小学校高学年になってもつづくようであれば治療を開始します。